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「昭和8年」を起点に、ジャック・フィニイよろしくモダン都市を散策するブログ

大正期

動き出す!絵画〜ペール北山の夢

明治維新後の日本を、かりに人生にたとえるとしたら、やはり大正時代は青春時代であり、なにはなくても情熱だけはたっぷりあるアマチュアリズムの時代だったのではないか。東京ステーションギャラリーで開催中の『動き出す!絵画~ペール北山の夢』もまた、…

郊外に生まれた「浴風会本館」という〝終の住処〟

世田谷文学館への道すがら、ふと思い立って路線バスを降りる。すっかり雨もあがったようだ。停留所の名前は「浴風会前」。ところがどっこい、とても「前」とは言いがたい場所に降ろされてしまった。あわててポケットを探り、Googleマップ搭載のスマホがある…

永代橋をわたって

時間をさかのぼるとき、映画や小説に「タイムマシン」が登場するように、過ぎ去った時代に思いをめぐらしながら都市を徘徊するときにも、やはりそれなりの「道具立て」があったほうが楽しい。そして「橋」は、ときにそんな〝時間旅行〟ならぬ〝時間散歩〟に…

落語と自動車

舞台はたいがい江戸時代で、登場人物はみな頭の上にチョンマゲをのせている ーなじみの薄いひとは、たいてい「落語」についてそんなイメージを抱いているのではないか。かく言うぼくもそうだった。聴き込んでゆくうち、実際にはその時代ごとの〝旬の〟トピッ…