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ふりだしに戻る

「昭和8年」を起点に、ジャック・フィニイよろしくモダン都市を散策するブログ

昭和3(1928)年

モボがみたフィンランド〜谷 譲次『踊る地平線』ヨリ

がたん! ――という一つの運命的な衝動を私たちの神経につたえて、午後九時十五分東京駅発下関行急行は、欧亜連絡の国際列車だけに、ちょいと気取った威厳と荘重のうちにその車輪の廻転を開始した。……中略…… では、大きな声で『さようなら!』 さよなら! そ…

岩本素白と竹の匙

「竹の匙」という、岩本素白のごくごく短い文章がいい。昭和3(1928)年3月の随想だ。荒物屋で尋ねても、「銀か白銅かニュームの物ばかり」で、ありふれた「竹の匙」がいっこうにみつからない。竹の匙にかぎらず、「簡素なうちに言われぬ味をもった日用品」…

深川の村林ビルディングから久生十蘭のいた函館へ

日本橋から茅場町を抜け、大正15(1926)年に完成した「復興橋梁」 のひとつ「永代橋」を渡って深川へと入る。すると、「佐賀一丁目南」交差点の一角に、規模はちいさいながら重厚な雰囲気をもつビルディングが姿をあらわす。「村林ビルディング」である。昭…